2019-06-15

お財布ポシェットに使う革を探して・・・の巻

とうとう梅雨入りしましたね。
今日の東京はかなり雨が降っています。

6月初め、
浅草近辺の革屋さんにて個展が開催されているとのことで、
革屋さん(革問屋さん)巡りをしてきました。

というのも、去年の11月に、
いつもお世話になっている革屋さんより、
今までお財布ポシェットに使っていた大好きな革を
「廃番にしまーす」とのお知らせが・・・。

原皮の状態が安定せず、
仕入れても売れないような革ばかりで、とうとう、その革を辞める!
とのことでした(ひえ〜)。

それで、
11月のレザーフェアでも、いろいろな革屋さんに
「スムースレザーで、最後の工程でひっくり返しても、
シワになりにくい革はありませんか?」
(こんなのです。と、現物のお財布ポシェットを提示)
という活動をしたのですが、
該当する革、ナシ。


というわけで、
そのちょっと前に、
また違う革屋さんで「これならギリギリ、裏返せると思いますよ!」と
オススメされた革を、この半年使用してきました。

が。
この革が。
買う度に・・・・
なんか・・・表面に・・・他の塗料みたいのが点々と付いてたりして・・・
それを避けて裁断するので、
大きな半裁の革を買っても、個数があんまり取れない・・・。

しかも、その点々が、制作中には気づかないこともあって、
全部形にしてから「・・・あれ?」なんてことが数回あって、
それは自分用にしたり、姉J子にあげたり・・・B品で売るのもなぁなんて迷ったり・・(うう)。

その革屋さんに相談したら
「顔料仕上げの革なので、よくあることです(ぴしゃり)」といった感じで・・・。
なんかもう・・・
この革・・・続けられないな・・・と、思いまして。

黒は、塗料の色飛びなどはないのですが
(黒だから分からないってのもあると思うけど)、
他の色も展開したいし、
だったら、また本腰入れて、
お財布ポシェットに使える革を探そう!となったわけです。








個展を巡って、おすすめしていただいた革を
家でふむふむと眺めてみたり。
閑散としている革屋さんもあれば、
メーカーさんであふれている革屋さんもアリ。
私など相手にしてもらえなさそうな雰囲気でも、
どこの革屋さんでも無視されるような冷たい仕打ちはなく、
真剣に話を聞いて下さって、
お財布ポシェットに使えそうな革を提案して下さいました。

この個展巡りで
「いいかも知れない」と思ったのは、
マストロット社というイタリアのタンナーさんのインポート革。
ただ、ネックなのは、在庫がない場合は、3枚以上からの取り寄せになるとのこと。
なかなかハードルが高い・・・。
でも、触ると吸い付くようなしっとりとした質感と伸びつつ戻る感じが好み。
角の部分などもしっかり伸びに付いてくるし、
裏返した時のシワも、まったく入らないとは言えないけど、私的には許容範囲。
当初の革が染料仕上げだったのに比べ、こちらは顔料仕上げだけど(多分)、
その分、鮮やかな発色が魅力。
しかも、なんか透明感があるのです。黒でさえも。素敵。



この個展巡りの日、
デザビレでセミナーがあって(私は不参加)、
誰か知っている人に会うかも?なんて思ってたら、
金具屋さんの角田商店さんにて、ばったり知り合い作家さんに遭遇!

「ちょっとお茶でも」となり。
彼女は、もともと靴メーカーさんで働いていて、
革にも詳しいので、いろいろと相談してみると、
一軒、革屋さんとその担当さんを紹介して下さり。

というわけで一昨日、
5月末のレザーフェアで気になっていた革を見るためもう一軒アポを取り、
二軒見に行くことに。

で、その朝、浅草を歩いていたら見事に転んでしまいまして!
(A4サイズが入るリネン素材のバッグを試作して、
その肩紐の長さを変えようとしながら歩いていたら
すっころびました・・・汗)
バッグの肩紐を手で持っていたせいで、豪快にアゴを打ってしまった・・・泣。

お財布ポシェットに絆創膏が入っているので(子ども用のつもりが自分用に!)
それを急遽貼り、さらに途中のコンビニで絆創膏を買い足し、
テクテクと向かいました。

一軒目の革屋さんのおじさん、始めは何も言ってこなかったけど
私が「さっき転んでしまいまして」と言ってみたら
「なんかもうさ〜、突っ込んで良いのかどうか、迷っちゃったよ〜〜!」とのこと。
そっか・・けっこう・・・目立ってますよね。アゴの絆創膏(しかも血が出てる・笑)。

おっと、転んだ話に脱線してしまいましたが、
(いやー、久しぶりに豪快に転んだね!)

一軒目のそのおじさんも、とっても親切に対応して下さって、
倉庫にある革なども見せて下さって、
しかし
「うちには、残念ながら、ない!」との結果に。

また違った革を探しているとき、来ます!と告げてお店を去りました。

んで、二軒目は、
レザーフェアで見つけた革を、もう一度しっかり見にいくことに。




スムースでなく、シボの革です。
こちらもイタリアの革です。

そう、お財布ポシェット、
シボの革もいいんじゃないかと。

こちらはA4サイズなどのカット革の販売もしているのを知っていたので、
「小さいサイズを買います!」と告げたところ
「いいよいいよ、こんくらいあれば試作できる?」と
けっこうな大きさの革を持たせて下さいました。




なので早速、いつものお財布ポシェットの型紙を75%でコピーして
少し小さいサイズで試作〜♪

けっこう固いけど、しなやかさもあって、
裏返せた〜〜♪
もともとシボがあるので、もちろん、シワも気にならない!!

しかも、色がまた、深みがあってキレイだし、
革の質感もいい〜♪
すりすりしていたい〜!


シボの革の方がカジュアル感は出るけど、
この革が、なんだか少し重厚感もあって、
意外にしっくり来ている気がする!



実は、5月中旬に、
「コレは?!」と目星を付けた
インポートのスムース革を見に行き
(すんごいハードルの高い革問屋さんでした・・・
分かる人には、これだけでどこに伺ったのか分かるかも・笑)
半裁を買って試作するも撃沈する・・・ということもあり
(革そのものは本当に素敵で、とても真摯に対応していただきました。
ただやっぱり、裏返すような革ではなかった・・・私が間違っていた・・・)。


その前にも、試作をするために半裁を買って、
ひっくり返したらシワシワになっちゃった・・・という事件が勃発していたので
もう、試作のために半裁を買うのはけっこう辛くて、
この大きすぎるサンプルをくれるという太っ腹対応は、本当にありがたかったです!

お財布ポシェット、
スムース革とシボのある革、2種類の革で作ってもいいかも知れない。
好みの革を、お客様に選んでいただけるといいかも。
なんて、思い始めています。

そもそも、箔押しのシルバーとシャンパンゴールドは、
シュリンクレザーだしねぇ・・・。




今回、いろいろと革屋さん(革問屋さん)を巡って、
その革屋さんの得意分野なども分かって、とても勉強になりました!

そして、どの革屋さんも、
こんな個人作家でも、本当に親切に対応して下さり、
その場で「買う!」とか言わなくても
サンプル帳やサンプルを下さったりして、
ありがたい!感謝!という気持ちでいっぱいになりました。
革への素朴な疑問とか、
クレーム来たらどうする?とか、
そんなお話もいろいろと聞かせて下さって・・・!
プロや・・・さすが、革のプロや・・・!と、尊敬しかない。

電話してアポ取ってから行くのがなかなかドキドキでしたが、
趣味の買い物でなく、ビジネスとしてとらえたら、当然のことだもんね。
うん、がんばります!