PUPU LAUKKU
ーププ ラウックーカバン作家の日々と、その他もろもろ
2018-10-20
産地巡りの10月・その1〜ハタオリマチ「山梨県富士吉田市」〜
この10月は、生地や革の産地を3ヵ所ほどまわってきました。
山梨県は富士吉田市、和歌山県は高野口、東京都は墨田区八広。
まずは富士吉田のハタオリツアーとハタフェスから。
10月5日(金)、朝9時の新宿西口からバスツアーがスタート。
どんより曇り空。
デザビレ村長の起業塾で一緒だったプーさんも参加とのことで、1人参加よりだいぶ気分も明るく軽く♪
バス内で富士吉田のハタオリについて説明などもありつつ、
渋滞もなく、ちょっと早く着いたとのことで、
みんなで浅間神社(せんげんじんじゃ)へお参りへ。
ちなみに、山梨県富士吉田市の近辺は、昔は甲斐絹(かいき)という生地で有名で
羽織の裏地などに使われ、昭和初期まで大人気だったそう。
しかし、戦後に需要が減ってしまい、甲斐絹は幻の織物に。
そして、それぞれの会社が洋服の裏地や傘地、
ネクタイ地などを作るようになっていったそうです。
ここは、新屋山神社(やまじんじゃ)へいつも家族でお参りに行くときに前を通りつつ、
なかなか立ち寄れていなかった場所なので嬉しいと思いつつ。
まずは、撚糸(ねんし)の荒井機業株式会社さんへ。
整然と並んだボビン、見えないくらいの細さ、スピードで撚られていく糸。
撚りのない原糸をボビンに巻き返すことで撚りを生み、糸を強くするそう。
ボビンの回転方向でS撚り(上撚り)とZ撚り(下撚り)があり、単糸はS撚りで、
その単糸2本をZで撚ったら下撚りの双糸で、それをさらにSの上撚りをかけながら巻くそうな・・・。
大きな原糸(パーンやチーズと呼ぶ)から、作業しやすいよう小さなボビンに巻き返し
↓
撚糸1 単糸を低速回転するボビンに上撚り(S)で巻く
↓
撚糸2 単糸2本を合わせて下撚り(Z)で双糸に
↓
撚糸3 さらに上撚り(S)をかける
みたいな手順らしい。
上撚り、下撚りを、図解やら模型やらで説明していただき、
その瞬間は理解したような気がしたのですが、書いている今はちんぷんかんぷんになってきております。
駐車場に赤富士。
撚糸は1週間くらい機械を止めずに動かし続けないといけないそうで(止めると撚りが均一でなくなってしまうそう)停電があるととても大変だそう。今年は台風も多かったので、ビクビクしていた、とおしゃってました。いろいろ大変だ!
こんな糸の状態から、布は始まっているのですね。
そしてお次は、
向原染色加工協同組合
さんへ。
こちら工場長。
軽いテンポで、私たちを楽しませるようにいろいろと説明して下さいました!
しかし、色の話になると表情は一変。
これぞプロの職人、というこだわりを垣間見せる一面もあり、さすが!
真っ白な糸が、プシューっという音とともにサーッと染まっていく様は圧巻!
試しに色を作ることを「ビーカーをする」というそうです。
理由はビーカーで作るから!
そのとき、何色の染料をどれくらい配合するか決まれば、どんなに大量になっても同じ色で染められるそう。すごい!
私もいつかビーカーしたい!なんて思ってしまいました。
さて、お昼ご飯に吉田うどんをはさみ、
3軒目は
武藤株式会社
さんへ。
カシミヤのストールなど、繊細な天然繊維で織られたストールを主に作っていらっしゃいます。
ここで驚いたのが、撚糸からストールになるまでの作業のほとんどを、自宅と併設された工場で一貫して行っているということ。
だから、小ロットでもキメ細かい対応ができるのだとか。
富士吉田は、そういった、家族経営で織りから製品まで作ってらっしゃる会社が多いのも特長らしいです。
すごく素敵なストールがたくさんあったのに、
お昼の後で、一瞬力尽きたのか、写真がぜんぜんなく・・・爆。
かろうじて、織機(ずっと「おりき」だと思っていたのですが「しょっき」と読むそうです)の動画を撮っていたのでアップ!
(※音が出ます)
若い息子さんが家業を継いでいて、頑張ってらっしゃいました。
富士吉田は、30代前半の若者が頑張っているのも印象的でした。
さて、最後は、
羽田忠織物
さんへ。
おっしゃれ〜!なショールーム。
織機も見せていただきました!
かっこいい〜!
織機にもいろいろ種類があって、当日、配っていただいたバスツアーのパンフ(スグレモノ)にも、説明がしっかり書いてあったのですが、
多分、
ストールの武藤さんで見せていただいたのが、ドビーのシャトル織機で
こちらの羽田忠さんが、ジャカードのレピア織機、だと思う・・・(意識朦朧)。
ジャカード織機で柄を織り出す、紋紙っていうのも見せていただきました!
穴の組み合わせだけでいろいろな柄が生まれるのもすごい!
夏の着物みたいな、スケスケのネクタイなどがあり、とっても珍しく素敵!と思いました♪
さて、この夜は、ツアーと地元のみなさんで夕食&懇親会。
染色の工場長とプーさんが話し込んでいてずっと笑って聞いていました。
朗らかな雰囲気なのは、山梨の人の特性なのかな??
夜はSARUYAというドミトリーにお泊まり。
すっごく素敵だったのに、またも写真を1枚も撮っていないという
(タオルもドライヤーもあったし、シャンプーなどもMARKS&WEBだったりして、とにかくおしゃれで清潔で素敵でした。カーテン仕切り付きのベッドだったら一泊3,500円ってのもありがたし)!!
翌朝は、
甲府でジュエリーツアーに参加していた
デザビレ村長とせつこさんと合流。
ハタオリマチフェスティバルが始まる前に、
忠霊塔という五重塔がある観光スポットへ。
前日、うどんを食べているときにオススメされたのです。
が。
階段、はんぱねぇ!!
富士山、見えねぇ!!
帰り道にイノシシの子!!
しかも、東京より、6度くらい気温が低く寒いと言われていたのですが、
むしろ夏日・・・。
汗だく・・・。
という、1日のスタートでした。
まずは、小室浅間神社で、
古道具屋さんとおしゃれショップのぞきみ。
こちらは、自分で織機を作って、生地を織っている方!
昨日見た、あの織機を自分で!!
すごー!!
新世界乾杯通りの怪しげな看板たち。
ハタフェスを満喫すべく、
村長、プーさん、せつこさんとハタオリ大学展などを流しつつ、
お昼は、やってんだかやってないんだか分からない
鮮笑という洋食レストランへ。
ぜったいやってないと思ったけど、ドアを開けたらやってた!笑!
味は美味しかったです(^^)
ごちそうさまでした。
ここで、昨日ハタオリツアーで出会った、文章と写真をやっている山梨在住のさきさんも合流。
この辺りで、
東京から、家族と、友達家族も富士吉田へ到着。
私は村長、プーさん、せつこさん、さきさんとブラブラしつつ、
日本ステンレス工業という会場で、
流しの洋裁人の原田さんにご挨拶したり、中矢パイルさんをご紹介いただいたり。
そして、もんぶらんでお茶。
暑すぎてアイスコーヒーやらかき氷やら。
(このもんぶらん、夜に、家族とまた来ます)。
最後に、山梨県織物整理という工場で、ニードルパンチ体験を(村長とプーさんが体験)!
ここで、家族と、友達家族とも合流。
何本もの針がガシャーンガシャーンとなる様子に、
R(子、5才)は針山地獄を連想したようで
(主に「鬼灯の冷徹」という地獄が舞台のアニメの影響)、
興味を持ちつつも怖がってました。
ここで、村長、プーさん、せつこさん、さきさんとお別れし、
私は、家族と、友達家族と、また富士吉田の街を散策。
こんなものも売ってたって。
レトロな街並みに、友達家族は大満足。古道具屋さんで什器まで買ってた!
〆は、もんぶらんで晩ご飯。
昼はガマンしたパフェ、おいしくいただきました!!
さてさて、なかなか濃厚な2日間でした。
バスツアーでお世話になったシケンジョの五十嵐さん、ありがとうございました!
生地ができるまでは、本当に、いろいろな職人さんたちの熟練のワザが詰まっているのだと実感。
今回、ハタオリバスツアーに参加することができて、とっても良かったと思ってます。
山と川のあるところに、生地の産地あり。
日本のいろいろな生地や革を使って、バッグを作っていくのも、楽しそうです。
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